応援メッセージ【ピックアップ】

  1. HP管理人からより:

    2024-02-29

    私が株主提案に賛同して行動する理由
    東京経済大学 大久保 奈弥

    私は大学の一般教養で生物学を教えるサンゴの研究者です。そのかたわら、生き物を保全するための活動や選択的夫婦別姓の推進活動をしてきました。この度、貴団体の活動を知り、ついにこのような機会がつくられたかと非常に嬉しい思いでおります。早速、株主として団体の活動に賛同するため、テレビ朝日ホールディングスの株を取得しました。

    普段、私は民放の地上波を観ません。バラエティが面白くないというのは私個人の感想として、報道ですら表面的な内容が多く、政権の都合の悪い情報は流さない、情報源として物足りない、要するにクオリティーに問題があるというのがその理由です。特に、専門家ではないタレントや芸人などがコメンテーターとして出演し、全く根拠のない発言を公共放送で垂れ流し、間違っていたとしても責任を取らないことについては非常に腹立たしく思っています。

    例えば、元TBSアナウンサーの吉川美代子氏は読売テレビの番組で、旧統一教会やその被害者の問題について「(日本共産党は)世間の注目が集まっているこの時に急に言い出す…パフォーマンスっぽい」と発言しました。しかし、日本共産党が長年この問題に対して批判的に取り組んできた事実は、社民党を支持する私でも知っています。また、テレビ朝日の番組で風力発電が特集された際、ジャーナリストの堤伸輔氏が「バードストライクは迷信に近いようなもの」と発言しましたが、絶滅危惧種のオジロワシなどが風力発電機に衝突する事実は多くの研究者が確認しており、環境省のHPにも掲載されています。私の所属する学会の自然保護専門委員会からも生物に負の影響を及ぼす風力事業の中止を求める要望書が出されていますので、明らかな事実誤認です。報道番組で積極的に発言する堤氏は、信頼回復のために自ら番組内で謝罪するといった行為が必要だったでしょう。何より、ジャーナリストが政策の賛否について公共放送で述べる際、事実確認をせずに発言したり、自身の持っていきたいシナリオに合わせて科学的事実を捻じ曲げたりしてはいけません。

    また、制作者側が報道者としての義務を果たしていない例もみられます。2019年1月、NHKの日曜討論で今は亡き安倍元首相が「(辺野古に生息する)絶滅危惧種のサンゴは移しています(だから基地を建設しても問題ない)」旨の発言をしました。私はサンゴの専門家として新聞やSNSを通じてその発言が間違いであることをコメントしましたが、本来であればNHK自らが国のトップの発言に関して事実確認を行うべきです。

    新聞も同じです。2023年に私が国際誌へ投稿した英語論文では、先の安倍元首相の発言を含め、辺野古大浦湾のサンゴ礁生態系が米軍新基地建設により破壊されることを報道した記事(辺野古大浦湾+米軍新基地建設+サンゴ移植の限界について)の数を調べました。2012年の第2次安倍政権が始まってから2022年までの記事数は、沖縄2紙が合計156本に対して、朝日新聞が6本、毎日新聞と読売新聞が1本、産経新聞においては0本です。ましてやテレビにおいて沖縄問題の報道を観ることはもっと少ないでしょう。

    かたや、社会問題にもならず、美談と思えるものは取材もせずに報道されることがあります。昨年、朝日新聞のbeで特集されたサンゴ関連のベンチャー企業の記事においては「世界初、水槽でのサンゴ産卵」と宣伝されており、それが事実誤認であることをサンゴの研究者として朝日新聞の担当者に伝えました。するとやはり、記者が取材をせずにその記事を掲載していたことがわかったのです。物心ついた頃から信頼していた朝日新聞がこたつ記事を書くとは、これほど驚いたことはありません。事実確認をせずに文字起こしするだけならば、新聞記者は必要ありません。上記の例だけでも、制作者側の教養レベルが下がっていることは疑いようがありません。

    さて、今回の株式取得の話に戻りますが、株主になれば、株式数にはよりますが、総会への出席や経営に関してさまざまな提案をおこなう権利が与えられます。例えば、以前、全日空をはじめとする企業のCSR活動で誤った広告が出され、それが私の専門とするサンゴ礁生態系を破壊することに繋がってしまう恐れから、2018年、42歳の時に自身で全日空の株を取得し、株主総会に出席したことがあります。前から3列目に座って一生懸命手を挙げましたが、決して当ててはもらえませんでした。しかし、総会の後、CSRの担当者を呼んでもらい、サンゴの移植に関する広告の様々な誤りについて話すことができ、ついにはHPの文言を変えることができました。株主になったからこそ、企業が問題点を真面目に聞いてくれたのだと思います。

    マスメディアは一般大衆に対する大きな影響力があります。地上波テレビしか見ていないという家もあります。だから、地上波番組の制作者にこそ、事実に基づいた質の高い番組をつくってもらいたい。教養を高められるような番組をつくってほしい。教養は良い大学を出た人や知識のある人が持つものではありません。教養は誰もが身につけられるものです。物事を深く考える力は、私たちの精神的生活を豊かにし、成熟した国をつくるための基盤をつくります。テレビはそのための手段としてまだ大きな役割を担えるのです。

    今回の「テレビ輝け!市民ネットワーク」が取得した持ち株数には、株主提案をおこなう権利があります。この活動に賛同したいという方は、是非、テレビ朝日の株を少しでも良いので購入し、ネットワークの提案に賛成する権利を得てください。日本を良い国にしたいと思うあなたの力が必要とされています。

    最後に株主の一人として、番組制作に携わる皆さんへのお願いを書きます。私の尊敬する同僚の早尾貴教さんが書いた「国ってなんだろう?」という本の前書きにはこのように書かれています。

    「私たちの生きる社会はとても複雑で、よくわからないことだらけです。(中略)そんな社会を生きるとき、必要なのは『疑問に思うこと』『知ること』『考えること』ではないでしょうか。裸の王様を見て、最初に「おかしい」と言ったのは大人ではありませんでした」

    番組制作に関わる皆さんは、この大切な3つを、テレビを通して呈示する力を持っています。数字の評価に惑わされることなく、一時的な娯楽を大衆に与えるだけでなく、市民が様々な出来事に疑問を持つ力を養えるよう、そして、あなた自身の生活も豊かにできるような成熟した国をつくるために、あなたの力を使って欲しいと強く願います。
     

  2. 弁護士 阪口徳雄より:

    2024-03-30

    テレビ輝け市民ネットワークの事務局兼会計の弁護士阪口徳雄です
    ご寄附を頂いた方にお礼の手紙を出させて貰いたいとおもいますので、ご住所、ご氏名をsakagu515@gmail.com
    宛に面倒ですが、送って頂きたいのです